筋挫傷(肉離れ)

肉離れは俗称で、正式には「筋挫傷(きんざしょう)」と言います。
筋繊維が過度の力によって引き伸ばされたり、急激な動きによって破損することで発生します。スポーツ選手によく見られる怪我ですが、日常生活での突然の動作や重い物を持ち上げる際にも起こり得ます。

肉離れは、筋肉の損傷程度によって、グレード1〜3に分類されます。
肉離れの好発部位は競技によって異なりますが、ハムストリングス(太もも裏にある筋肉の総称)や大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)、内転筋(内ももの筋肉)、腓腹筋(ふくらはぎにある筋肉)など、下半身の筋肉です。

成長期の若い人やスポーツ選手は、大腿二頭筋(太ももの後ろ側の筋肉)、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)、ハムストリングス(太もも裏側の内側の筋肉)が肉離れになることが多く、中高年になると腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)の肉離れが多くみられます。

症状

断裂部の圧痛と運動時痛が主な症状で、断裂部が陥没することもあります。受傷後3日ほどすると、皮膚表面に内出血が現れることがあります。受傷後1週間くらいは歩行にも支障をきたしま す。重症の場合には、歩行困難になるほどの強い痛みが発生します。

原因

・過度の筋肉の伸張
・急激な加速や方向転換
・不適切なウォームアップ
・筋肉疲労
・筋肉の柔軟性不足

診断

エコー(超音波検査)や MRI により筋の出血を確認します。場合によって、CT(コンピュータ断層撮影)、レントゲンな どの画像検査でその他の鑑別診断(症状を引き起こす疾患を絞り込むために行う診断)を行います。

程度の分類

重症度 損傷部位 症状 治療期間
I度(軽度) 筋肉のみ 押すと痛い
歩行時の痛みは軽度
2週間
II度(中等度) 腱の部分損傷 押す、動かすと痛い
わずかに筋肉がへこむ
1〜2ヶ月
III度(重度) 腱の完全断裂 強い痛み、動かせない
筋肉がへこむ
5〜6 ヶ月

一般的治療法

受傷後48時間はPRICES処置が有効です。

安静と固定の保存治療が基本です。基本的には切り傷や裂傷と同じで、そのまま放置しておくよりも、切れた箇所を寄せ合い固定しておく方が早く治癒します。
組織は修復過程で収縮してしまうので、元の組織の状態に戻すには、収縮した組織を引き延ばすことも必要になります。受傷後1週間以内に局所の疼痛が軽減して歩行が可能になれば、患部に負担がかからないよう軽いストレッチを行います。

受傷後3週間くらいで圧痛がなくなれば、徐々に軽いランニングから始めていきます。受傷初期、硬結があるうちはハードな練習は再発リスクが高いため運動強度の管理が必須です。

メディカルジャパンにしかできない介入例

メディカルジャパンでは、保存的療法に加え、より早い治癒を目指し以下のような医療機器を使用した治療を行っております。治癒を早めることにより、本来の身体機能の低下を最小限にし、その後のスムーズな回復を促します。

ES−530立体動態波[マイクロカレントモード]

μA(10-6A)という微弱な電流で、損傷の治癒を促進し、スポーツ後の筋肉痛軽減に適しています。また、感覚閾値下刺激で、顔面周辺や創部周辺への治療に最適です。

参考文献